お知らせ・コラム

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認知機能と近所の人との関わりに関して。


 近隣のサポートが認知機能に与える影響についての文献を紹介します。

 論文の目的

この研究は、「住んでいる地域の近隣住民からのサポート(助け合いや交流)」が、認知機能(記憶力や思考力など)を守るための保護因子として機能するかどうかを調べたものです。

さらに、近隣サポートが認知機能に良い影響を与える背景として、「睡眠の質」「うつ病の症状」「ストレスのレベル」がどのように関わっているのか(媒介しているのか)についても分析しています。

 主な発見

  1. 近隣サポートは認知機能の低下を防ぐ

    • 近隣からのサポートが手厚いと感じている人ほど、認知機能の低下が緩やかである、または高い認知機能が維持されている傾向が見られました。

    • これは、地域社会とのつながりが、脳の健康を守るのに役立っていることを示唆しています。

  2. 重要な仲介役(メカニズム)

    • 分析の結果、近隣サポートが認知機能に良い影響を与える主な経路として、「うつ病の症状の軽減」「ストレスの緩和」が重要であることが分かりました。

      • うつ病の症状の軽減: 近隣サポートが多いと、孤独感が減り、精神的な安心感が得られるため、うつ病の症状が軽減されます。うつ病の症状が減ることで、結果的に認知機能の維持につながります。

      • ストレスの緩和: 困ったときに助けを求められる環境があることは、日常的なストレスを軽減します。慢性的なストレスは認知機能に悪影響を与えるため、ストレスが減ることで認知機能が守られます。

    • 睡眠の質については、この研究では、近隣サポートと認知機能の間の主要な媒介要因としては明確な関連性は見られませんでした。

結論と示唆

この論文は、近隣住民との良好な関係やサポート体制が、うつ病やストレスを和らげることを通じて、高齢者の認知機能の健康を維持するための重要な要素であることを示しています。

認知症の予防や健康増進のためには、医療的な介入だけでなく、地域社会のつながりを強化するような取り組みも非常に有効であると考えられます。


Alzheimers Dement. 2025 Nov;21(11):e70940. doi: 10.1002/alz.70940.

Neighborhood support as a protective factor for cognition: Associations with sleep, depression, and stress

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